透明人間が現実になりそうです。
米科学誌サイエンス(Science)に論文を発表した、米エネルギー省のローレンス・バークレー国立研究所と米カリフォルニア大学バークレー校の物理学者チームによれば、顕微鏡でしか見えない位小さな「不可視化膜」の開発に成功したとのこと。理論上では、将来、もっと大きな膜をつくることもが可能になるそうです。
不可視化膜は、光の性質を操作して、物体表面での光波の反射を変えて、物体を目で捉えられなくするよう機能するものだそうです。実は、この理論、物理学者のジョン・ペンドリーがすでに2006年に提唱し、自然界にはない現象を引き起こすメタマテリアルという人工物質を使うことで、光を屈折させ、背景に溶け込ませることが理論的に可能とされていました。しかし、現実には、特定の角度や、ある波長でしか現象が起こらず、実用化には至っていない状況でした。
研究チームは「ナノアンテナ」として知られる金製の微細構造を用いて、厚さ80ナノメートル(1ナノメートル=100万分の1ミリ)の不可視化膜を作製。生体細胞数個ほどの大きさの3次元物体を覆うことができるとしています。
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